さらっと「アマゾンの女王の腰帯」~十二の功業 その⑨~

初訪問の方は、はじめまして。

他の記事から見てくださっている方は、こんにちは。

さらっと納得を目指す本サイト「さらとく」。

第21回記事となります。

以前の記事で書かせていただいた通り、

2021年最初のテーマは「十二の功業」についての一連の記事となります。

前回の最後にありますように、今回は

第九の功業「アマゾンの女王の腰帯」について紹介させていただきます。

※イメージです

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どうして「十二の功業」やってるの?

英雄ヘラクレスの代名詞とも言える「十二の功業」ですが、

決して成り行き任せで始まったわけではありません

数々の無理難題を課されながらも律儀に勤めを果たし続けたのには、

ヘラクレスなりに切実な事情があってのことだとされているそうです。

以前の記事でも書かせていただきましたが、

ヘラクレスの抱える事情というのは、端的に言えば「罪滅ぼし」です。

女神ヘラの介入により正気を失ったことで起こしてしまった事件について、

その罪を償うべく光明神アポロンの神託を受けて始まったのが

「十二の功業」と呼ばれる難行だったそうです。

・・・が。ここで問題発生。

「十二の功業」の切っ掛けとなった光明神アポロンの神託ですが、

その内容はちょっと雑なものだったらしく、

罪滅ぼしに関して「具体的に何を為すべきか」については言及してなかったそうです。

神託で告げられたのは

  • 誰の下で
  • いくつの勤めを果たすか

という2点。これだけ

つまり「十二の功業」には

神託を下した光明神アポロンとは別に人間の雇い主が存在します。

雇い主として指定された人物の名前は、エウリュステウス

当時ミケーネ&ティリンスという土地を支配していた王とされる人物です。

※イメージ図

このエウリュステウス王ですが、実はヘラクレスとの間にかなりの因縁のある人物

ヘラクレスに対して恨みがあるわけでは無いものの
ヘラクレスが健在だと気が休まらない

という実に複雑な立場であったとされているそうです。

そんなエウリュステウス王なので、

ヘラクレスに10個、好きに仕事を課していいよ byアポロン神

とのお墨付きをいただいてしまったことで、

これ幸いと私情挟みまくりで難題を課すことになります。

要するに、エウリュステウス王の課す勤めには

表向きの名目と個人的な裏事情がもれなくセットで存在していたそうです。

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今回の目的

<strong>エウリュステウス王</strong><br><strong>(<span class="has-inline-color has-blue-color">表</span>)</strong>
エウリュステウス王
()

アマゾンっているでしょ、狩猟民族の。

そこの女王が代々受け継いでる腰帯があるらしいから、手に入れてきて。

第九の勤めは・・・何でしょうね、これ。

退治でも生け捕りでもなく、そもそも荒事でもない。

しいて言えば、お使いでしょうか?

エウリュステウス王ヘラクレスに振るだけあって、

厄介ごとの気配は濃厚なのですが、

それでも今回は、一応「入手」が目的となっているみたいです。

目的の時点で、すでにこれまでの勤めと比べて毛色が違っていますが、

何よりも異色なのが、その動機

今回のエウリュステウス王は、これまでに無い動機でもって本件を命じたと言われています。

<strong>エウリュステウス王</strong><br><strong>(<span class="has-inline-color has-red-color">裏</span>)</strong>
エウリュステウス王
()

だって娘が腰帯欲しいって言うんだもん。。。

後にも先にもこれだけです。

娘のおねだり」なんて理由でヘラクレスに難行挑ませたのは。

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アマゾンの女王の腰帯とは?

アマゾンの女王の腰帯」とは、

その名の通り、アマゾンという部族の長が代々継承してきたとされる腰帯のことです。

由来を考えると何かしらの効力がある不思議なアイテムであってもおかしくありませんが、

残念ながら、腰帯自体の詳細については語られていないみたいですね。

さらっと豆知識

アマゾンというのは、ギリシャ神話に登場する屈強な狩猟民族です。
基本的に女性だけで構成されていたことで有名で、
地名としてのアマゾンと区別して、アマゾネスとも呼ばれるそうです。

女性だけで構成される部族なので、当然部族の長は代々女王となります。

当代の女王はヒッポリュテという人物で、

今回の目的である腰帯を所持しているのもこの女性だとされていました。

特徴①:軍神アレスに由来

アマゾン(部族)の最大の特徴は「女性のみで構成される」という点ですが、

実は他にもいくつか目を引く特徴があります。

そのひとつが、「軍神アレスの系譜」というものです。

神話において、そもそもアマゾンは軍神アレスを祖先に持つ部族とされていたらしく、

代々伝わる腰帯についても、

同様に軍神アレス由来の一品であったといわれているそうです。

ついでに言えば、当代の女王であるヒッポリュテ自身も

軍神アレスの娘であるとされているそうです。

特徴②:武闘派の部族

アマゾンの部族は、代々狩猟民族として暮らしてきたこともあって

戦闘を得意とする集団としての面もあったと言われています。

実際、神話や物語の中に「アマゾン」の名前が登場する際は、

大体の場合、名のある英雄や、それらの所属する集団を相手に戦っているみたいです。

今回のヘラクレス一行もそうですが、

もう少し後になると、今度はトロイア戦争にも登場しており、

当代の女王が、英雄アキレウスを相手に一騎打ちを挑んだりもしているみたいですね。

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vs.アマゾンの女王

そんなわけで、アマゾンの女王の所持する腰帯を欲するヘラクレスでしたが、

  • 男性を排する気風
  • 軍神アレスに連なる武闘派集団
  • いきなり押しかけて代々伝わる女王の腰帯を要求する自分

といった点から、「荒事になるのは不可避」と半ば覚悟を決めていたみたいです。

実際、「突然現れて先祖伝来の品物を要求」とか、怒られても仕方ないと思えますし。

その備えとして、今回も単独ではなく数名の仲間と共にアマゾンを訪ねるヘラクレスでしたが、

それでもやはり自分が無茶を言っているという自覚があったのか、

出来ることなら穏便に済ませたいと考えていた様子。

対面した女王ヒッポリュテに対して、

無理を承知で腰帯を譲ってもらえるよう交渉を持ち掛けたところ、

予想に反して女王ヒッポリュテ承諾

ヘラクレス一行も歓待をもって迎えられたそうです。

補足しておきますと、
実は裏があったとか、油断を誘うための罠だったとか、そういったことではなく
本当に歓迎されたみたいです。

一説には、屈強な勇者揃いであったヘラクレス一行を気に入ったことで、
このような反応になったと言われているとか。

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その後の顛末

こうして、珍しく穏便な形で目的を果たせそうなヘラクレス

だったのですが。

ここで事情を知った女神ヘラが、ヘラクレスの邪魔をすべく横から介入

アマゾンの一員に変装した上で

ヘラクレス達が女王を連れ去ろうとしている

と触れ回りました。

当然、自分たちの女王を助けるべく

アマゾンの戦士たちはヘラクレス一行に襲撃をかけます。

一方、歓待を受けてくつろいでいたヘラクレス達も、アマゾンの戦士に突然襲い掛かられたことで

これまでの歓待ムードは罠だった

勘違いして反撃。結局は争いとなってしまいました。

この時、女王ヒッポリュテヘラクレスに対して自身の潔白を訴えていたのですが、

頭に血が上っていたヘラクレス聞く耳を持たず

最終的に、ヘラクレス女王ヒッポリュテを討ち取って、

目的の腰帯を奪う形で持ち帰ることになってしまいました。

こうして一応の決着をつけたヘラクレスでしたが、

あとで冷静になって考えてみると、女王ヒッポリュテが嘘を言っていたとはどうにも思えず

真偽がはっきりしないうちから一切の弁明を無視した自分の行いを悔やむことになったのだといいます。

後味の悪い結末になってしまいましたね・・・。

元々はお互い友好的だっただけに、
女王ヒッポリュテはもとより、ヘラクレスにとっても気の毒な話です。


以上、今回は「十二の功業」より「アマゾンの女王の腰帯」について紹介させていただきました。

次回は、第十の功業「ゲリュオンの牛」についてとなります。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

また他の記事でお会いいたしましょう。

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