さらっと「ネメアの獅子」~十二の功業 その①~

初訪問の方は、はじめまして。

他の記事から見てくださっている方は、こんにちは。

さらっと納得を目指す本サイト「さらとく」。

第13回記事となります。

前回の記事で書かせていただいた通り、

2021年最初のテーマは「十二の功業」についての一連の記事となります。

前回は「十二の功業」の一覧を大まかに紹介させていただきましたので、

今回からは、各逸話を個別に書いていこうかと思います。

そんなわけで、今回は

「十二の功業」の第一「ネメアの獅子」について紹介させていただきます。


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どうして「十二の功業」やってるの?

英雄ヘラクレスの代名詞とも言える「十二の功業」ですが、

決して成り行き任せで始まったわけではありません

数々の無理難題を課されながらも律儀に勤めを果たし続けたのには、

ヘラクレスなりに切実な事情があってのことだとされているそうです。

以前の記事でも書かせていただきましたが、

ヘラクレスの抱える事情というのは、端的に言えば「罪滅ぼし」です。

女神ヘラの介入により正気を失ったことで起こしてしまった事件について、

その罪を償うべく光明神アポロンの神託を受けて始まったのが

「十二の功業」と呼ばれる難行だったそうです。

・・・が。ここで問題発生。

「十二の功業」の切っ掛けとなった光明神アポロンの神託ですが、

その内容はちょっと雑なものだったらしく、

罪滅ぼしに関して「具体的に何を為すべきか」については言及してなかったそうです。

神託で告げられたのは

  • 誰の下で
  • いくつの勤めを果たすか

という2点。これだけ

つまり「十二の功業」には

神託を下した光明神アポロンとは別に人間の雇い主が存在します。

雇い主として指定された人物の名前は、エウリュステウス

当時ミケーネ&ティリンスという土地を支配していた王とされる人物です。

※イメージ図

このエウリュステウス王ですが、実はヘラクレスとの間にかなりの因縁のある人物

ヘラクレスに対して恨みがあるわけでは無いものの
ヘラクレスが健在だと気が休まらない

という実に複雑な立場であったとされているそうです。

そんなエウリュステウス王なので、

ヘラクレスに10個、好きに仕事を課していいよ byアポロン神

とのお墨付きをいただいてしまったことで、

これ幸いと私情挟みまくりで難題を課すことになります。

要するに、エウリュステウス王の課す勤めには

表向きの名目と個人的な裏事情がもれなくセットで存在していたそうです。

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今回の目的

<strong>エウリュステウス王</strong><br><strong>(<span class="has-inline-color has-blue-color">表</span>)</strong>
エウリュステウス王
()

ネメアの谷に住み着いた獅子(ライオン)を退治してきて。

退治の証拠に、獅子の毛皮も持ち帰ってね。

第一の勤めは、至極シンプルに怪物退治です。

ヘラクレスのような生粋の英雄に課すものとしては、ある意味お約束とも言える鉄板ネタですね。

これが「人民の為を思って」みたいな理由でもあったのなら美談なのですが、

そこはヘラクレスに思うところありありのエウリュステス王

実際の思惑としてはこんな感じだったそうです。

<strong>エウリュステウス王</strong><br><strong>(<span class="has-inline-color has-red-color">裏</span>)</strong>
エウリュステウス王
()

いかにヘラクレスでも武器が通用しない怪物には勝てないだろう。

と言うか、負けて。

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ネメアの獅子とは?

ネメアの獅子」とは、

ネメアという土地の谷に住み着いて人々を襲っていた獅子(ライオン)の怪物です。

「要するに今回の目的はライオン狩りか」と言ってしまえば楽なのですが、

そこはギリシャ神話屈指の英雄にして苦労人たるヘラクレス

当然ながら、そんな易しい勤めなどありません

特徴①:怪物テュポーンの血筋

十二の功業」というエピソードを舞台に登場する「ネメアの獅子」ですが、

一応その出自・・・と言いますか、ルーツのようなものは語られているそうです。

そのルーツは、ギリシャ神話における「怪物の父」、

またの名を「最大最強の怪物」ともされる存在である怪物テュポーンだと言われています。

この怪物テュポーンの詳細については該当の記事に任せますが、

ギリシャ神話の主神ゼウスを相手取って宇宙を破壊しながらの激戦を繰り広げたと言われる程の、

最大最強」のフレーズに恥じない規格外の存在であったとされているそうです。

当然ですが、「親が強ければ子も強い」みたいな都合の良いルールはありません

神話の中でも、傾向としてそんな向きはありますが、例外も多いです。

ただ、今回の「ネメアの獅子」については、

その傾向がバッチリ当てはまるタイプだったそうです。

そもそも、ヘラクレスに対して思うところアリアリなエウリュステウス王が、

勤めの一番槍に選んでいる時点でその強大さはお察しと言えますね。

特徴②:物凄く強靭な毛皮

出自からして既に強者感が漂っている「ネメアの獅子」ですが、

「じゃあ、具体的にどこが手強いの?」

と訊かれたとき、その解答となるのがこの特徴です。

このライオン、毛皮がすごく頑丈だったと言われています。

ここだけ聞くと正直あまり凄そうな気はしないかもしれませんが、

「ネメアの獅子」の毛皮の頑丈さは中々ぶっ飛んでいて、

曰く「あらゆる武器が通用しない」というレベルに達していたそうです。

ゲーム的に表現すれば、キャラクターの防御性能が高すぎて

相手の攻撃を「カキンッ」と弾いてしまうみたいなものですね。

「ネメアの獅子」が恐ろしいのはそれを自前の毛皮で、

しかもヘラクレスを相手に出来てしまったという点でしょう。

実際、最後までヘラクレスの武器攻撃は一切通用しなかったみたいです。

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vs.ネメアの獅子

そんなこんなで、目茶苦茶硬い怪物と戦うことになったヘラクレス

本人のセオリーとして、とりあえず得意の弓矢と棍棒で攻め立てるのですが、

  • 弓矢・・・弾かれる
  • 棍棒・・・弾かれないけど傷も付かない(一説には悶絶くらいはしたとか)

という何とも手応えの薄い展開だったそうです。

Q.目の前の怪物には棍棒も矢も通じません。どうしますか?

A.絞めます(`・ω・´)+

というわけで、獅子の首を絞めること丸三日

無事に討伐を果たしたのだといいます。

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その後の顛末

無事に「ネメアの獅子」を退治したヘラクレス

証拠の毛皮については、手持ちの武器では歯が立たなかったものの

獅子自身の爪を使って裁断することで首尾よく持ち帰ることに成功したとされています。

つまり、しきりに毛皮の頑丈さが取り沙汰されていますが、

実は獅子自身の性質としては 攻撃性能>防御性能 だったみたいですね。

ちなみに、退治された獅子の方はその勇名もあってか

死後天に昇って「獅子座」になったと言われているそうです。

その後、持ち帰った毛皮はエウリュステウス王に提示されたはずなのですが、

毛皮自体には興味が無かったのか、あるいはそもそも持ち帰れると思ってなかったのか、

特に回収されることも無くそのままヘラクレス自身の被り物として活用されることになったのだそうです。

余談ですが、この獅子の毛皮には「包んだ人物を不死身にする」という伝承もあるらしく、

後にトロイア戦争で活躍する英雄アイアスも、その恩恵を受けたと言われているそうです。


以上、今回は「十二の功業」より「ネメアの獅子」について紹介させていただきました。

次回は、第二の功業「レルネーの水蛇(ヒュドラ)」についてとなります。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

また他の記事でお会いいたしましょう。

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