![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2020/12/ギリシャ風景写真_1200_トリミング.png)
初訪問の方は、はじめまして。
他の記事から見てくださっている方は、こんにちは。
さらっと納得を目指す本サイト「さらとく」。
第24回記事となります。
以前の記事で書かせていただいた通り、
2021年最初のテーマは「十二の功業」についての一連の記事となります。
前回の最後にありますように、今回は
第十二の功業「冥界の番犬ケルベロス」について紹介させていただきます。
![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2021/01/ケルベロス_300.png)
どうして「十二の功業」やってるの?
決して成り行き任せで始まったわけではありません。
数々の無理難題を課されながらも律儀に勤めを果たし続けたのには、
ヘラクレスなりに切実な事情があってのことだとされているそうです。
以前の記事でも書かせていただきましたが、
ヘラクレスの抱える事情というのは、端的に言えば「罪滅ぼし」です。
女神ヘラの介入により正気を失ったことで起こしてしまった事件について、
その罪を償うべく光明神アポロンの神託を受けて始まったのが
「十二の功業」と呼ばれる難行だったそうです。
・・・が。ここで問題発生。
「十二の功業」の切っ掛けとなった光明神アポロンの神託ですが、
その内容はちょっと雑なものだったらしく、
罪滅ぼしに関して「具体的に何を為すべきか」については言及してなかったそうです。
神託で告げられたのは
- 誰の下で
- いくつの勤めを果たすか
という2点。これだけ。
つまり「十二の功業」には、
神託を下した光明神アポロンとは別に人間の雇い主が存在します。
雇い主として指定された人物の名前は、エウリュステウス。
当時ミケーネ&ティリンスという土地を支配していた王とされる人物です。
![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2021/07/王とっくん_300_見出し用.png)
このエウリュステウス王ですが、実はヘラクレスとの間にかなりの因縁のある人物で
ヘラクレスに対して恨みがあるわけでは無いものの
ヘラクレスが健在だと気が休まらない
という実に複雑な立場であったとされているそうです。
そんなエウリュステウス王なので、
ヘラクレスに10個、好きに仕事を課していいよ byアポロン神
とのお墨付きをいただいてしまったことで、
これ幸いと私情挟みまくりで難題を課すことになります。
要するに、エウリュステウス王の課す勤めには
表向きの名目と個人的な裏事情がもれなくセットで存在していたそうです。
今回の目的
![<strong>エウリュステウス王</strong><br><strong>(<span class="has-inline-color has-blue-color">表</span>)</strong>](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2021/07/王とっくん_160_吹き出し用.png)
(表)
最後の勤めね。
冥界の入り口を守ってる番犬いるでしょ、ケルベロス。
あれ捕まえてきて。生け捕りね。
第十二の勤めは、怪物の生け捕りです。
これまでも怪物の生け捕りを命じられたことはありましたが、
最後ということで大盤振る舞いしたのか、今回は物凄いビッグネームを指定しています。
無茶振りもここに極まれりですね。
そんなエウリュステウス王の思惑ですが、
察するにこんな感じなのでしょう。
![<strong>エウリュステウス王</strong><br><strong>(<span class="has-inline-color has-red-color">裏</span>)</strong>](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2021/07/悪とっくん_160_吹き出し用.png)
(裏)
ヤバい、もう後が無い。
もう理由とか何でもいいから、
とりあえず冥界行って。で、そのまま帰ってこないで。
冥界の番犬ケルベロスとは?
「冥界の番犬ケルベロス」とは、
ギリシャ神話に登場する犬型の怪物です。
出典によって多少の差異はあるのですが、
基本的には三つの首を持つ巨大な犬のような姿とされているそうです。
通称にもある通り、
普段は冥界の入り口で番犬を務めていると言われています。
![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2020/12/さらとっくん_160_160.png)
怪物なのに勤労意欲の高いヒト(?)ですね。
特徴①:三つ首の怪物
怪物ケルベロスと言えば、何より有名なのがこれではないでしょうか。
一説には、三つではなく五十の首があるともされているそうですが、
いずれにしても多頭の怪物として知られているというのは共通ですね。
同じく多頭の犬型怪物として、
第十の功業「ゲリュオンの牛」に登場した双頭の怪物オルトロスがいますが、
この両名は同じ両親から生まれた兄弟なのだと言われているそうです。
![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2020/12/さらとっくん_160_160.png)
ちなみに、怪物ケルベロスの特徴として有名な三つ首は
「冥界の番犬」としての職務にも生かされているらしいです。
![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2020/12/さらとっくん_160_160.png)
具体的には、三つの首で見張り役と休憩役を分担できるのだとか。
便利なものですね。
特徴②:怪物界のサラブレット
先述した通り、
怪物ケルベロスは、双頭の怪物オルトロスの兄弟にあたります。
それはつまり、この両名が同じ出自を持つということ。
すなわち、
ギリシャ神話における最大最強の怪物である怪物テュポーンの血筋です。
![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2020/12/さらとっくん_160_160.png)
さすが怪物ケルベロスと言うべきか、その知名度に相応しいルーツですね。
![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2020/12/さらとっくん_160_160.png)
ちなみに、母方となるのは「怪物の母」こと怪物エキドナだとか。
まさしくサラブレッドです。
vs.冥界の番犬ケルベロス
こうして、怪物界屈指と言える生粋の怪物を相手取ることになったヘラクレス。
しかし、今回は珍しく相手側が協力的だったそうで、
怪物ケルベロスの飼い主である冥府神ハデスがヘラクレスの事情を知っていたことから
『ケガさせたり、死なせたりしないなら、連れ出して良いよ』
と許しをくれたのだといいます。
結果として、今回のヘラクレスは余計な横槍を気にする必要もなく、
条件にあった怪我にだけ注意して、素手で怪物ケルベロスを引っ張って連れ出したそうです。
![](https://saratoku.net/wp-content/uploads/2020/12/さらとっくん_160_160.png)
つまり、生け捕りそのものは大して難しくなかったみたいですね。(ヘラクレス的に)
その後の顛末
こうして、無事に冥府を脱したヘラクレスは、
雇い主であるエウリュステウス王の元へ怪物ケルベロスを連れ帰り、
命じられた勤めを果たしたそうです。
これをもって、全十二回を数える「十二の功業」は達成とみなされ、
ヘラクレスの償いも果たされたのだといいます。
お疲れさまでした。
以上、今回は「十二の功業」より「冥界の番犬ケルベロス」について紹介させていただきました。
元旦より始まりました「十二の功業」シリーズは今回で終了となります。
次回からは、また別なテーマで記事を書かせていただこうと思います。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
また他の記事でお会いいたしましょう。
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